年に1回は健診を受けましょう
近年、食生活の変化や運動不足によってひきおこされる糖尿病や高脂血症、高血圧といった生活習慣病が問題になっています。これらの病気はなかなか自分では気づかないものです。「体の調子がよくないな」「最近すぐ疲れるな」など自覚症状が出て病院に行ったときには、病状がかなり進行している場合も少なくありません。
健康診断には2つの目的があります。
- 生活習慣病やメタボリックシンドロームの原因となる生活習慣の問題点を発見する(一次予防)
- 生活習慣病やメタボリックシンドロームを発見し、早期治療につなげる(二次予防)
一次予防とは病気になる前や健康状態に異常が起こる前に予防することで、二次予防は自覚症状がでる前に病気を早期発見し治療することです。
生活習慣病は早期の場合自覚症状がないことが多く、自覚症状が出てきたときには既にかなり進行してしまっている状態のことも少なくありません。定期的に検査を受ける「健診」を受けて「病気を早期に発見すること」や「病気になる前にリスク要因を発見すること」が大切です。
健診の種類
- 特定健康診査
- 特定保健指導
- 高齢者健診 など
特定健康診査とは
特定健診は、メタボリックシンドロームに着目した健診です。メタボリックシンドロームは内臓脂肪の蓄積や高血圧症、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病と関係が深く、放っておくと脳卒中などの重大な病気を引き起こすといわれています。生活習慣病は、自覚症状がほとんどなく進行します。予防には『食事』『運動』といった日常の生活習慣に気をつけるとともに定期的に健診を受けましょう。
検査内容
問診、身体測定(身長、体重、腹囲、BMI)、血圧測定、血液検査(中性脂肪、HDL、LDL、総コレステロール、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GT(γ-GTP)、空腹時血糖(食後10時間以上のみ)、HbA1c、血清クレアチニン、尿酸)、尿検査(尿糖、尿蛋白)、医師が必要とした場合は、詳細な検査(貧血検査、心電図検査、眼底検査)を追加することがあります。
持参するもの
- 受診券
- 自己負担金
- 保険証 など
特定保健指導とは
健診を受けた結果、メタボリックシンドロームのリスクのある40~74歳までの方を対象に行う健康サポートです。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とは、内臓脂肪の蓄積により、高血圧・高血糖・脂質異常症などが重複した状態のことです。自覚症状はほとんどないものの、放っておくと動脈硬化が急速に進行し、心臓病や脳卒中などを引き起こす危険性が高まりますが、健診結果に基づいて生活習慣を改善することにより、予防・改善することができます。
健康に関するセルフケア(自己管理)ができるように、公衆衛生学をマスターして国家資格を取得した健康管理の専門家の保健師または管理栄養士が寄り添ってサポートします。
健診結果通知票の見方をはじめ、健診結果をもとに日頃の食生活や運動・その他健康に関する幅広いご相談に応じますので、ぜひご利用ください。
2つのタイプの特定保健指導
メタボリックシンドロームのリスク数に応じて、「動機付け支援」と「積極的支援」の2つのタイプの特定保健指導があります。
① 内臓脂肪型肥満 … 腹囲とBMIで内臓脂肪蓄積のリスクを判定します。
- 内臓脂肪型肥満A … 腹囲:男性85cm以上、女性90cm以上
- 内臓脂肪型肥満B … 腹囲:男性85cm未満、女性90cm未満かつBMI:25以上
② 追加リスク … 健診結果・質問票より追加リスクをカウントします。
- (1)血 糖 … 空腹時血糖値※100mg/dl以上またはHbA1c 5.6%(NGSP値)以上
- (2)脂 質 … 中性脂肪150mg/dl以上またはHDLコレステロール40mg/dl未満
- (3)血 圧 … 収縮期血圧130mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上
- (4)喫煙歴 …(1)~(3)のリスクが1つでもある場合にリスクとして追加
- ※H30年4月1日以降の健診では、やむを得ない場合、随時血糖を用います。
以上のリスクを踏まえて、特定保健指導のタイプが決定します。
動機付け支援
内臓脂肪型肥満Aでリスクが1つ、内臓脂肪型肥満Bでリスクが1つ~2つ
生活習慣を振り返り、ライフスタイルにあった目標を設定し、実行に移せるようなきっかけ作りを、保健師等がお手伝いします。
〈支援方法〉
【初 回】個別面談またはグループ学習
↓
【3ヵ月後】生活習慣改善状況などを伺います(電話、手紙、FAX)
【内 容】
- 20分以上の面談で生活習慣の改善についてご一緒に考えます。
- 3ヵ月後に生活習慣のご様子や腹囲・体重などを伺います。
※面談は対面もしくは通信機器を用いて実施します。
積極的支援
内臓脂肪型肥満Aでリスクが2つ以上、内臓脂肪型肥満Bでリスクが3つ以上
生活習慣を振り返り、ライフスタイルにあった目標を設定し、実行を続けられるように保健師等が継続的にサポートいたします。
〈支援方法〉
【初 回】個別面談またはグループ学習
↓
【3ヵ月以上】個別に面談、電話、手紙、FAXで継続サポート
↓
【3ヵ月以上経過】生活習慣改善状況などを伺います(電話、手紙、FAX)
【内 容】
- 20分以上の面談で生活習慣の改善についてご一緒に考えます。
- その後、数回のご連絡を取り合いながら、生活習慣の改善をサポートします。
- 3ヵ月以上経過後に生活習慣のご様子や腹囲・体重などを伺います。
※面談は対面もしくは通信機器を用いて実施します。
高齢者健診とは
後期高齢者の生活習慣病(糖尿病・高血圧など)の早期発見や介護予防につなげるための健診です。
健診内容
身体計測、理学的検査、血圧測定、脂質検査、肝機能検査、血糖検査、尿検査、腎機能検査、尿酸代謝検査、末梢血液一般検査(貧血検査)、心電図検査、眼底検査(一定基準の下、医師の判断により実施)
対象者
「後期高齢者医療制度」の被保険者となるのは以下のような人です。
1.75歳以上の人 (生活保護を受けている人は対象とはなりません。)
2.65歳以上75歳未満で一定の障害があり申請することで広域連合の認定を受けた人
一定の障害とは
- 身体障害者手帳1級から3級、4級の一部(音声、言語、下肢に関する障害)
- 療育手帳の重度障害(A)(重度の知的障害)
- 精神障害者保健福祉手帳の1級、2級(日常生活に著しい制限を加える程度の障害)
など
持参するもの
- 受診券
- 自己負担金
- 保険証 など
勧奨用ポスター・チラシ
保険者協議会では独自のポスター作成をはじめ、メディアを活用した広報など、様々な形で情報発信をしています。
保険者協議会で作成した広報ツールを掲載しておりますので、ぜひご活用ください。